JAかながわ西湘 2021年10月号
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赤い線が堤防。このように堤防の一部をあけ、増水時はそこから水を逃がして、洪水を防ぎます。すみてすみすみ◆堤防守る松並木尊徳も植栽◆水を蓄える技術今も機能する霞かい堤丘きぐ隅の意志を引き継いだ蓑み笠か之の助すゅう のののさけ  いい5  い       いいすみて霞かい提というものをご存じですんげんづつみすみすみすみ再び堤防が決壊します。今度は、が巨石を積んで城の石垣のように頑丈な堤を築きます。また、蓑みは左岸(川音川と酒匂川の合流地点)に三角土手を築いたとも言われています。川音川の流れを三角土手によって導き、酒匂川の水の勢いを抑え、東側(松田町・大井町等)を水害から守りました。(P4の図)このようにして、蓑みは暴れ川の酒匂川を制しました。文命土手は決壊することなく今も私たちを守ってくれています。にも先人の知恵と工夫を感じることができます。は約1,000本もの松の木が植えられています。これは、堤防を守るために植えられたもので、洪水の時には伐採して木流しなどの材料としても利用されました。の松並木は、二宮尊徳が植えたといわれていますが、残念ながら現存する松の木は、明治から昭和初期にかけて植えたものです。酒匂川の土手を歩くと、この他新大口橋から河口まで、土手に現在の小田原城北工業高校近くまた土手には、水防用の石が配置され、水防用資材として使用されます。か。信し玄堤ともいわれ、この技術は武田信玄が考案したものが始まり。堤防のある区間に開口部を設け、その外側に二重になるよう堤防を築くことで、一定以上の川の水を堤防の開口部(田んぼなどの遊水地)へ逃がし、川の水位が落ち着いたころに水が戻る仕組みになっています。水を一時的に遊水地へ逃がすことで土手の決壊と氾濫を防ぎます。酒匂川には多くの霞か提てが築かれていましたが、現在残っているのは右岸側の足柄大橋付近と小田原城北工業高校北側、小田原アリーナの南側の3か所のみ。ちょうどサイクリングロードは霞か提てに沿って築かれているので、その3か所を歩いてみると堤防が途切れている開口部があることがわかります。2019年の台風19号の時には、足柄大橋付近の霞か提てに膝下ぐらいまでの水が流れ込みました。霞か提てに水を蓄えることによって大きな被害を防ぐことができたのです。過去の治水技術が今も機能しています。近年は単に堤防を作るだけでなく、霞か提てのように水を蓄えて水害を防ぐような対策が合理的な治水だと再評価されています。増  時酒 水 匂  川開成町付近から河口へと続く松並木小田原市の川沿いには今も水害に備え水防用の石を配置すみて■足柄大橋付近の霞かい提特集〜シリーズ・酒匂川を探る〜後編 先人の知恵が生きる治水酒匂川の松並木田・畑九十間堤防足柄大橋ふれあい館

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